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アトリエルーツ06(茨城大学美術科の卒業生を中心に立ち上げられたアトリエ)に関する情報ブログです。
by r06-gallery


ギャラリートーク行きました。〈クズサコ〉
 アートワークスで開かれた「Re:ゼミ」の十河先生の講評会に参加しました。しかし、先生が体調不良のため来れず、急遽、今回の企画者である大滝君が連絡を取り、絵画ゼミ卒業生から各学年の代表に一人ずつ来てもらい作家も交えてのギャラリートークとなりました。
 今回の記事は大滝君が十河先生からいただいたコメントとギャラリートーク、筆者の感想を織り交ぜながら文章をまとめていきます。加えて筆者がうっかり撮影をしていなかった為、非常に見づらい内容ですが一読いただければと思います。
 トークのはじめ、今回の企画について話がありました。十河先生の狙いとして今回のような自身の作品を課題とした授業を考えていたそうです。しかし、学生に対してこのような課題であると自分の作品に引きずられてしまうのではないかということもあり、卒業生ならばと今回の展示が実現されたそうです。





 深谷くんの作品は、「かいしゃ」という課題でした。
「futurerama」
 このタイトルは「未来の展望」を意味する作者の造語で、「かいしゃ」という言葉から、作者はマイナスの印象を感じとり、未来の展望は決して明るいわけではないという思いが反映された作品です。
 十河先生のコメントは作品としてきれいに整理されており、物体としてまとまりが出てきたとのことでした。
 作品は2点とも、角の取れた四角の画面が支持体で、赤黒い色鉄さびのような色がベースになっています。
左にある作品は、ベースの色から、白色系の色を塗り重ねられて層になっており、淡いカラフルな水玉が浮かんでいる空間を感じさせるような内容です。右の作品は、ベースの色と白色でシンプルに描かれており、物質的な内容の作品です。色の見え方が独特な2点ですが、これは、塗り重ねた色をヤスリで削り取ることでいくつもの色の層が表れてくるからだそうです。

 栗田さんの作品は、「トウフとナットウ」という課題でした。
 栗田さんのアプローチの仕方としては、言葉からよりも作品の情報(色やモチーフ、構成)から展開していったような印象があります。
 展示作品は「大蛤」、「face」の2点で、「大蛤」はタイトルにあるように大蛤の出す蜃気楼を彷彿とさせる空間を、「face」は課題に描かれている顔を手がかりに複数の目や鼻、口のパーツを構成したものになっていました。
総評として、作者の表現が定着してきている、色がぼやけている、作品に緊張が見られるなどが挙がっていました。栗田さんは今年修了制作が控えているので、今回の展示からの展開していくかにも期待ができます。

 大滝君は「絵空事」という課題でした。この課題を受けてインスタレーションと映像の2点が展示されていました。
「unknown language」 
 パイプとビニールの枠に土がしかれ庭のような場が形成されており、土のうえに泡の塊があるという作品です。土と泡という接点の持たない二つの素材を組み合わせることで日常とリアルがつながっ
ていない感覚に気づかされます。また、泡のはじけて形が失われていく状態がゆっくりとした時間の流れを感じ取れます。

「bad but good night」
暗い画面の中で一定の間隔で六角形の光が点滅している映像に、蛇口から水滴が垂れる音などの生活音が流れてくる作品です。タイトルにあるように就寝時の中で光は携帯電話などの機器の光の点滅を表し、音は眠るときに聞こえてくる生活音で現実と夢の境界をさまよう感覚が呼び起こされます。

 二上さんは「あおぞら」という課題でした。
「産卵参観日」というアクリル板にイラストが描かれ、キャプションにイラストの内容を示すストーリーが書かれています。この形式は二上さんが卒業制作の作品でも見られましたが、その時から内容も質も全く衰えを見せないものとなっていました。作品には、青空を背景に手を上げているウサギと人が見られ、キャプションにはタイトルにちなんだ「ウサギと亀」のウサギがその先輩なる人物とともに亀の産卵を見に行くためタクシーを呼び止めているといった内容のストーリーが示されています。この独特の世界観は作品を描くことととキャプションのストーリーが同時進行で展開していくとのことでした。作者がふとしたきっかけで得たものが展開していくようで、この作品も亀の産卵の特集をテレビで見たことがきっかけになっているそうです。

 以上まとまりもなく勢いで書き綴ってきました。細かく書いていくには整理し切れていないため、大まかな内容をさらう感じでやってみました。
 筆者の作品に対する読み込みが足らないため誤解されてしまう点が多分にありますが、展覧会全体として4者4様の世界観が展開しつつも、課題となった十河先生の4点の作品とのつながりが垣間見ることができる展示であったと思います。
 見にくい文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。
by r06-gallery | 2010-10-04 04:05
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