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木に魅せられて
こんにちは、東ヶ崎です。 最近、身辺が落ち着いてきたので、久々に大物に取りかかりました。 わたしの専門は木工なのはご周知されているかもしれませんが、実は木のストックがてんこ盛りにあります。 学生のときに買い漁った産物でして、ストックがあるのをわかっていても、やはり同じ木は2つとしてないことを思うとつい買ってしまいます。 当たり前なのですが、使ってしまった木は二度と使えないので、材を選ぶ際にもすごく慎重になり、あんまり良い木はなかなか手をつけれません。 今回やり始めた大物は、購入してから約4年。 わたしが大学四年生になりたての頃に購入した栃の木です。とても木目が素敵で、一目惚れで購入しました。 2メートルを超える大きな一枚板で、買った当初は切るのももったいなく、「いつかこの木をいかせるようになりたいなぁ」と大きな板のまま、眺める毎日でした。 今でもその木をいかせる程の技術が自分についた!という自信はありませんが、4月から新生活が始まることが決まった時からこの木のことが頭から離れなくなり、木に呼ばれてるような気がして制作を始めました。 そして改めてすんばらしい木で、惚れ惚れ。 すんばらしくて、旋盤を止まるたびに、見とれてしまうほど。マルシェドノエルでは販売目的だったので、あんまり木目が良いものよりも、色味を重視して制作したので、こんな良い木目のものを削るのは久しぶりだったからかもひれませんが、それにしても素敵すぎる。 現在、途中段階ですがこんな感じです。 木の素敵さが伝わるように、若干色調補正はしましたが、どうでしょう?すごく素敵であることがお分かりいただけたら嬉しいです。 この木を削っていて、木って本当にいいなぁということと、わたしは本当に木が大好きなんだなぁと改めて思いました。 工芸を始めた当初、本当は陶芸をやりたかったのですが、大学の先生に木を勧められ、正直、腑に落ちない形で木工を始めました。 最初は木って硬いし、重いし、削って間違えたら元に戻せないし、なにこれ辛いとなってました。 しかし、初めて完成した木の器を見て、すごくすごく綺麗で、綺麗すぎてずっと抱きしめたり頬ずりしたりする衝動を止められませんでした。その後、木、そのものに魅せられ、今の道を進んでいるのですが、木との出会いは、わたしの人生にとても大きな刺激を与えてくれました。 新生活が始まり、絶対的に今より忙しくなってしまうので、今以上に木に触れなくなるなぁと思っていました。 もしかしたらそのままフェードアウトしてしまいそうなわたしに、木がダメだよ!って言ってくれたのかもしれません。 スピリチュアル的な思想は普段はあまりしないのですが、今回はスピリチュアルになりました。 何はともあれ、今回、この木を削り、木工というこの仕事を、一生続けていこうと改めて決意しました。 ちなみに陶芸ですが、 わたしにはむいてないと思う出来事があり、もう未練はありません。むしろあの時、素直に木工を始めていた自分、あっぱれ!
by r06-gallery
| 2017-03-12 10:30
| asami
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